グループホームで生活するうえでかかる費用については、過去の記事でも説明していますが、例えば、現在ご家族と暮らしている方が、自立のために家を出てグループホームに入居する場合、一体月にいくら生活費がかかるかはっきりわからない、と思う方も多いかもしれません。
グループホームへの支払は、月々大体同じ金額なのでわかりやすいと思いますが、それ以外の部分の支出がどのくらいになるのかが問題ですね。
グループホームで生活すると、多くの方は日中活動として、作業所やデイケアで過ごすことが多いので、昼食代や交通費などがかかると思いますし、休日には余暇活動で、外出・外食したり、趣味のものを買ったり、映画やコンサートに行ったりすることでしょう。また、喫煙や飲酒の習慣がある方は、そのお金もかかります。
しかし、それ以外に、身の回りのものの購入費が意外にかかります。
身近な例を挙げれば、使っている歯ブラシや歯磨き粉やティッシュペーパーが消耗すればそれを買いますし、傘が壊れれば買い替えなければなりません。下着も使っているうちにダメになるので、これにも金がかかります。他にも色々あると思いますが・・・。
あと、大きな支出として、医療費があります。慢性的な病気の治療をしている方は、その費用は大体見積れるとは思いますが、急性の病気については、突発的な支出で、かつ、金額がまちまちなので、予め、月々の備え(貯金)が必要になるかもしれません。
それに対して、月々の収入はどのくらいになるのかは、大体予想がつきます。
まず、収入源として考えられるのは、労働の対価としての賃金や給料ですね。月にどれくらいになるのかは、労働時間で異なるかもしれませんが、ある程度見積ることができるでしょう。
それと、障害年金を受給されている方は、ひと月当たり大体決まった金額を得られると思います。
グループホームの支払いと、それ以外の支出を、今のご自分の収入で賄えるかどうかが、ポイントになりますが、「今の収入では絶対に無理だ」と思われる方もいると思います。
しかしながら、このような場合、「公的扶助=生活保護(生保)」を受けることによって、グループホームでの生活ができる可能性があります。
生活保護には、8種類の扶助がありますが、この中でも、以下の3つの扶助が中心になると思います。
①生活扶助
②住宅扶助
③医療扶助
①の生活扶助は、日常的な食費、被服費、水光熱費をもらえるものです。
②の住宅扶助は、必要な家賃の金額をもらえるもので、地域により上限額が設定されています。
③の医療扶助は、病気やケガをしたときの医療費を肩代わりしてもらうものです。
先に述べた、グループホームへの支払い費用と、それ以外にかかる日常的な支出については、生活扶助と住宅扶助で賄えるようになると思います。
また、将来の医療支出を貯金により備えることができない方にとっては、医療扶助は強力なアシストになるはずです。
なお、生活保護は、障害年金を受けていたり、就労による賃金・給料をもらっていても、受給可能です(ただし収入金額によります)。
このように、障がい福祉の制度と生活福祉の制度を組み合わせて利用することにより、グループホームでの経済的に自立した生活を送ることができるようになると思います。
もちろんそのためには、受給要件を満たしていることと、「給付申請」が必要になります。
グループホームを利用する場合、特にセルフプランの場合は、障がい福祉の部署に相談されると思いますが、生保などの公的扶助は、障がい福祉と部署が違うことが多いので、障がい福祉部門から連携してもらうほうが、話がスムースに進むかもしれません。
さらに、グループホーム入所時は生活保護を受給していなかったが、その後状況が変わり、生活保護が必要になることもあるかと思います。そのような場合は、グループホームの生活支援員に相談すると良いでしょう。